「シナリオ」営業概論 part.18

「個人ニーズ」ではなく「組織ニーズ」にフォーカスする

「組織ニーズ」と「個人ニーズ」

「組織ニーズ」と「個人ニーズ」

課題のつながりが、課題・ニーズの見極めに重要だと説明してきましたが、その理由は「組織ニーズ」と「個人ニーズ」を見極めたいからです。
組織ニーズは、企業として求めているニーズであり、企業にとってメリットがある事柄。
個人ニーズは、いち社員として求めているニーズであり、その個人にしかメリットがない事柄。
この2つのニーズは、同じニーズのような顔をしていながら、全く異なるものです。
わかりやすく言うと以下のような感じです。

(個人としての顔=個人ニーズ)
・自分が実現したいことをサポートしてくれるのか
・自分の仕事が楽になるのか
・効果が出たら自分の成果になるか

(会社を代表する顔=組織ニーズ)
・会社としてのメリットがあるのか
・投資コストに見合ったROIが出るのか
・上司を説得できる材料がそろうか
・社内のリソースだけで実現できるのか

見極めポイントは「業績へのインパクト」

組織ニーズは、企業の現在や将来の業績にインパクトを与えるものです。
売上を伸ばすことか、コストを削減することに効果が見えないものは組織ニーズになりません。
費用対効果や、ROI(Return on Investment)と言われているものです。

個人ニーズは、反対に企業の業績にインパクトが見えないものです。
話している本人、またはその周辺にしかインパクトのないものです。
例として、目の前の仕事を楽にしたいというのがあります。
「案件の進捗報告が大変だ」とか「毎回おなじ集計作業を繰り返したくない」といった理由から、目の前の業務を自動化したいという形で出て来ます。

2つのニーズを見極めるもっと簡単な方法

お客さまの売上増加やコスト削減につながるのかを見極めるのは、外部の人間には意外に大変です。
2つのニーズを見極めるもっと簡単な方法は、課題のつながりを見極めることです。
課題のつながりがない場合、つまりオペレーション・エグゼキューションと、経営ビジョン・事業戦略が関係ない場合、担当者がいくら強力に推進しようとも、最後に会社の方針と違うからとハシゴを外されてしまう可能性が残ります。
ですから営業担当は、課題につながりがあるかどうかを確かめる必要があります。

次回はそのために必要な「なりきり型」か「積み上げ型」の検知のついて解説していきます。

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