「シナリオ」営業概論 part.22

〈一次営業〉での解決編03:ゴールへとつながる「問いかけ」の準備

一時営業でのやりとりを比較

一時営業でのやりとりを比較

以下のやりとり、少し違和感がありそうです。


【 ✕ 失敗編:顧客との一問一答の答えがズレる 】

■お客さまA:一通りのことができるのは、分かりました。赤字顧客の分析という点では何ができるのですか?
 
□営業担当:データが入っていれば、顧客別に分析することができます。

■お客さまB:管理担当者が自分で分析できるのですか?

□営業担当:導入企業の多くは、現場担当者が活用していますよ!

■お客さまB:どう使う事例が多いですか?

□営業担当:事例はたくさんあります。



【 ◯ 解決編:さらに課題を深堀りする質疑応答 】

□営業担当:赤字顧客が増えている要因に心当たりはありますか?

■お客さまA:サポ ート対応費用が増えているのもあるのですが、やはり値引きが大きいかなと思います。

□営業担当:値引き額は、どのように管理しているのですか?

■お客さまB:営業担当が上司に稟議のワークフローで承認を取っています。

□営業担当:そこでは、赤字案件でないかチェックしていないのですか?

■お客さまB:チェクしていますが、費用は想定で入れていて、後で変わってしまうので。

□営業担当:まずは、稟議時点からの費用のかい離を把握する所から検討 してはいかがですか?

■お客さまB:そうかもしれません。

受注につながる「組織ニーズ」を探せ!

失敗編では前段のサービス説明を受けて、その内容に関る質問を受け付けています。
一方で解決編ではサービス説明などなかったかのように、こちらから質問を続けています。
お客さまに寄り添った自然な流れに見えるのは、実は失敗編の方です。

解決編の営業担当がわざわざ流れに反したことをしている理由は、十分な課題を引き出せていないからです。
「大きなシナリオ」の中では、受注というゴールにつながる「組織ニーズ」を見つけ出さなくてはなりません。
さらに小さいシナリオでは、次回訪問というゴールに繋げるために、相手の期待感を盛り上げる「ベネフィット」を見せなくてはなりません。
この二つを達成するため、解決編の営業担当は、サービス説明すらも「課題意識を引き出す材料」として割り切っています。

問いかけから「堀り筋」を見つけ出す

今、解決編の営業担当が実施しているのは、最初にヒアリングした課題を広げることです。
追加の情報を提供したことで、新たな課題を引き出せないかと考えています。
矢継ぎ早に、赤字顧客の増加の要因に関する担当者の見立てや、社内での値引き額の管理方法やチェックの観点 を聞き出しています。
いろいろな観点から聞くことで、お客さまの発言の中に「掘り筋」と言われるツッコミどころを見つけようとしているのです。

お客さまの嘘を見破るときに「なぜ」の連発はNG

お客さまの話に矛盾が出てきた時はチャンスです。
お客さまの担当者自身の誤解や思い込みがあるからこそ、話の筋道が食い違い始めるのです。
その食い違い、つまりウソの裏にこそ、真の課題が隠れていることがあるのです。

問いかけの中で、おかしな点を見つけると、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と問いかけたくなります。
しかしこの営業担当は、質問をかみ砕きながら行っています。
「なぜ」という質問はお客さまを身構えさせてしまうので、聞き出しやすいように表現を変えているのです。

実際には説明した製品・サービスの内容から、質問を膨らませていくことが多いのですが、今回の解決編で は、お客さまの課題がまだほとんど見えていないため、大上段の赤字顧客の増えている要因という「問いかけ」から入っているのです。

課題を深堀りすることで、次回の訪問の質を深める

「課題のつながり」という見地から、「費用管理」というお客さまが持つ手がかりにまで探索を進めることができました。
もし「現状に不満がある」「こういう機能を求めている」「価格は安いほうがいい」というようなレベルで質疑応答を終えてしまったなら、次回の訪問時にも一次営業と似たような提案をするだけで終わってしまったことでしょう。

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