「シナリオ」営業とは何なのか?

「シナリオ」営業は、顧客から注文を頂くまでの営業の進め方の「型」です。受注というゴールに向けて、必要なステップを逆算して設定して、各ステップで、顧客から引き出すべき情報と、そのための「問いかけ」を明確にします。それぞれが独自のやり方で進めていた営業手法に、シナリオ発想という「型」を持ち込み、営業に再現性を持たせることで、初めて組織の知恵として蓄積することを可能にする。それが「シナリオ」営業の最終ゴールです。

「シナリオ」営業とは何なのか?

なぜ、
「シナリオ」営業が
生まれたのか?

デジタル時代には、製品とサービスの垣根がなくなり、製品としてのソフトウェアをサービスとして提供するSaaS(Software as a Service)も増えています。モノをサービスとして販売する形、それに合わせて、営業でも「モノ」売りだけでない、「コト」売りだけでもない、新たな売り方が求められます。
シナリオ営業は、「モノ」売りと「コト」売りの2つの売り方を同時に実現するために生まれました。「モノ」売りでの自社のベネフィット訴求という視点と、「コト」売りでの顧客の課題に合わせる視点を、営業ステップの中で両立するのです。

なぜ、「シナリオ営業」が生まれたのか?

「シナリオ」営業の
ゴールとしての
「受注確度」のアップ

営業のゴールは受注です。受注できる可能性としての確度には、「発注確度」と「受注確度」があります。
「発注確度」は、顧客がそもそも購入するかです。顧客には購入しないという選択肢もあります。有名なBANTのフレームワークは、「発注確度」を確認するツールです。ちなみに、BANTとは、Budget(予算)、Authority(意思決定者)、Needs(顧客の求めているもの)、Timeframe(決定タイミング)です。
「受注確度」は、競合他社を押しのけて自社が受注できるかどうかです。

「シナリオ営業」のゴールとしての受注」確度のアップ

このうち、「受注確度」を上げることが、シナリオ営業のゴールです。
「受注確度」を上げるには、自社の提供するベネフィットと、顧客が感じるコストのバランスを変えることが求められます。当然、ベネフィットの重みを増やして、実感コストを軽くすることが目標となります。顧客が、ベネフィットを役立つ価値として認めてくれる、そしてその導入コストを大きいと感じさせない流れを作るのがシナリオなのです。

「シナリオ営業」のゴールとしての受注」確度のアップ

「シナリオ」営業の
4つの要素

「シナリオ」営業では、課題・ニーズの見極め、ニーズとベネフィットのマッチング、ニーズとベネフィットのズレの解消、ストーリーに沿った納得感の引き出し、という4つの要素があります。
この4つの要素を、アポイントからクロージングまでの営業プロセスの中で活用し、「受注確度」を上げていくのです。最大の難関が、顧客のニーズと自社のベネフィットがかみ合わないズレです。
ズレを解消していく際には、ベネフィットを変えるのではなく、顧客のニーズを変えることが求められます。ここが、「コト」売りと「モノ」売りを融合している部分です。

「シナリオ営業」の4つの要素

課題・ニーズの見極め

課題・ニーズを見極めるとは、顧客の話を傾聴して、真の課題を探り当てるということです。探り当てた真の課題、またはその解決案がニーズとなります。
顧客の話はやっかいです。話の中では、課題まで至らない単なる悩みや解決策の見えない問題意識も出て来ます。一方で、課題の解決策まで具体化されていて、それに合う機能だけを求めている場合もあります。
大事なのは、対応するに値するニーズがあるかどうかです。我々は、それを顧客が組織が求めるものとして「組織ニーズ」と呼んでいます。

課題を深掘りして顧客を見極める
課題を深掘りして顧客を見極める

ニーズとベネフィットの
マッチング

ここでは、顧客起点のニーズと自社起点のベネフィットを、どう合致させるかが問われます。顧客の「組織ニーズ」に対して、価値として提供できそうなことを提案していきます。これが、ニーズとベネフィットのマッチングです。ニーズとベネフィットが合致して初めて、顧客は興味を持ち、価値に気づいてくれます。
多くの場合、ニーズとベネフィットはズレています。そのズレを発見することも重要なステップです。ただ、ベネフィットは、一朝一夕には変えることはできません。そのため、ニーズをベネフィット側に引き寄せざる得ません。

「合わせ」と「ズラシ」で
ズレを解消

ニーズは動かすには、課題から変えなくてはなりません。そもそも課題の前提を変えてしまうか、課題自体を動かしてしまう方法があります。課題の前提を変えることを我々は「土俵」を変えると呼んでいます。
相手の課題を聞き出し、その中の「組織ニーズ」を見極めて、ベネフィットに合致するようにズラしていく。これには、ニーズとベネフィットが合致した状態から逆算しないとステップを組み上げられません。「シナリオ」営業とは、相手の反応を想定しながら、このステップを練り上げていくことなのです。

「合わせ」と「ズラシ」でズレを解消

ストーリー展開での
納得感

顧客のニーズをしっかり理解して、せっかく良い提案をしているのに、顧客から評価されない営業がいます。相手が分かりやすい順序で話していないので、伝わらないのです。
理解してもらうためには、そのためのストーリーを用意することが求められます。具体的には、「そうそう」「へえ」「なるほど」という流れを作るのです。この流れに合わせて、ベネフィットと実感コストのバランスが変わることを納得してもらうのです。

ストーリーとして伝える