小貫さん
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
「シナリオ」営業 相談室 vol.001
営業エキスパートの小貫さんが、今日から使える営業のポイントをわかりやすく解説します。
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
1年目の新人営業マン。
お客さんの言葉をしっかり引き出して事実を固めていったはずなのに、
なぜかいつも最後に「やっぱりやめた。」と言われてしまう営業1年生の佐藤君。
営業のエキスパート・小貫さんに、その原因と対策を聞いてみました。
Point
小貫さん、またお客さんに「やっぱり社内の事情で発注できなくなった」と言われてしまいました。上司からは怒られるし、僕って営業に向いていないのかも......。
どうやら佐藤君はお客さんが無意識のうちについた「ウソ」に騙されやすいようですね。
えっ! お客さんがウソをついているんですか!?
そう、お客さんがウソをつくことは営業では良くある話なんですよ。新人はとくに騙されやすい。でも、お客さんはウソつこうと思って言ってるわけじゃないんです。
Point
BANTは、お客さんが注文を出してくれるかどうかを確認するときに使うヒアリングの枠組み。
この4つの要素をきちんと聞いておけば、基本的にお客さんが注文するかどうかを見極められるとされています。
使えるお金を持っているかどうか
誰が、どのプロセスで意思決定するのか
そもそもお客さんが
欲しいと思っているか
お客さんの会社に
価値や意味があるか
いつまでに決めるというスケジュールがあるか
これさえ覚えておけばバッチリってことですね!
じゃあ、さっそくお客さんのところに行ってきます!
ちょっと待って、佐藤君!!BANTはあくまで抜け漏れを防ぐための質問の枠組みでしかありません。BANTで情報を抜かりなく集めたところで、お客さんが無意識にウソをついていたらどうします?
Point
重要なのは、その時のお客さんの言葉だけでなく、反応をしっかりと見極めること。経験のある営業マンは、相手の言葉や反応から「これって本当のことなんだろうか?」と相手の言葉や反応から真実を見極めているんですよ。
そう言われると、僕はいつも情報を集めることしか考えていなかったかも......。
ポイントはその時にお客さんが「見立て」で話してるのか、「思い込み」で話してるのか、それとも「ファクト=真実」に基づいて話しているのかを見極めることです。以下の方法で確かめてみて、見立てでも思い込みでもなければ、真実ということが分かります。
お客さんが「前はこうだったから今回もこうなるはず」と、以前の体験をもとに自分なりに解釈をしてしまっています。
お客さんは自分が確たる証拠がないと自覚してるため
「こうなると思いますよ」とか、「こうだったはず」など、語尾に断定できない表現が出てくることが多いです。
お客さん自身もそれが事実だと思い込んでいる状態です。
上司から「情報収集だけしておけ」と頼まれたはずなのに、発注までと思い込んで進めているということも。
口調には現れないため、会話の中で以下の3つを確かめていきます。
なるほど!この判断基準を持つことで、お客さんの意図せぬウソを見破っていくことができるというワケですね。
その通り! これこそ、お客さんのウソに振り回されずに発注につなげるための、いわゆる「発注確度」を見極めるポイント。しっかり覚えておいてくださいね。
発注確度がずれて失注をしてしまうという課題がある人は、「BANT」で聞いたことが「見立て」なのか「思い込み」なのかという視点でアプローチしてみよう!