小貫さん
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
「シナリオ」営業 相談室 vol.002
営業エキスパートの小貫さんが、今日から使える営業のポイントをわかりやすく解説します。
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
1年目の新人営業マン。
いつも先輩に「おまえは握りが弱い!」と怒られている営業1年生の佐藤君。握りが弱いってどういうこと? いったいなにをしたらいいの? 営業1,000人を見てきた小貫さんに聞いてみました。
Point
先輩によく『おまえは握りが弱い』と言われるんですが、それってどういうことですか?
ビジネスでは、お互いの認識を合わせたり、約束したりすることを「握る」と表現することがあります。
営業活動でも、お客さんとうまくリレーションや約束事を作れずに敗退してしまうことはよくあります。それが続くと「握りが弱い」と言われてしまいますよね。
うーん。でも自分はお客さんの要望は聞いているし、ちゃんと営業の手順を踏んでいると思うんですけど...。
一見何も問題はなさそうなのに、「握りが弱い」と言われてしまう営業マンには共通点があります。それは、「何が受注の決め手になるのか?」といった必須要件からの営業手順を踏めていないことです。
お客さんにニーズがあるのは分かるけど、
自分たちが受注できるのかまでは検討がつかないという状態です。
何が受注の決め手になるのか?
という必須要件が何かを聞き出せる流れを組み立てましょう。
Point
受注の決め手をつかみとるためには、全体を「発注確度」と「受注確度」の2つに分けてステップを追って確認を進めていくことが大切です。
顧客が発注してくれる確率
競合の中で自分たちが受注できるかの確率
step1の発注確度では、ヒアリング項目に沿って、予算、決裁者、課題・ニーズ、導入タイミングなどを漏れなく聞いていき、お客さんの課題やニーズを把握します。
step2では、発注確度で集めた情報をもとに受注確度を確認し、
自社ベネフィットやコストを説明するなどして、”決め手”となる要素をクリアにしていきます。
僕はお客さんの課題やニーズを把握することはできている気がします。
確かにstep1の発注確度は多くの人がスムーズに確認はできています。
問題はstep2で、受注確度の確認をうまくできない人が多いんです。
Point
step2の受注確度を確認する際に注意したいポイントが2つあります。
step1の発注確度で把握したお客様の要件や課題を考慮して説明すること
自社の強みやコストなど、確認するポイントがかたよらないようにすること
自社の強み
「機能の範囲が広いですよ」
「この機能は他社には無いですよ」
「UIや画面も分かりやすくて使いやすいですよ」
コスト
「他社と比較して安いですよ」
「追加費用は発生しませんよ」
「お値引きできますよ」
お客さんの課題を考慮することは大前提ですが、話がかたよってしまうと、その場では聞いてもらえても、お客さまが振り返ったときにあいまいな点が残り、結果的に発注までに至ることができません。
たしかに、僕はいつも商品の強みや機能についてばかり話してしまっていたかも知れません。
受注の決め手となる商材のベネフィットのほかにも、かかるコストや導入後の運用、サポート体制など、お客さんの気になるところをバランスよく説明していきましょう。
発注確度と受注確度という2方向からアプローチし、
その商材を導入することでより快適になった状態を
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