「シナリオ」営業 相談室 vol.004

お客さんの要望に対応できない!
ニーズと商材にズレが起こったらどうする?

シナリオ営業相談室とは?

営業エキスパートの小貫さんが、今日から使える営業のポイントをわかりやすく解説します。

登場人物

  • 小貫さん

    1,000人の営業を見てきた
    コンサルタント。

  • 佐藤君

    1年目の新人営業マン。

お客さんからニーズを聞き出したのはいいけど、「機能をカスタマイズして欲しい」と、自分たちの商材では対応しきれないことを言われて困った佐藤くん。
こんな時、どうしたらいい? やってはいけない対応って?
営業1,000人を見てきた小貫さんに聞いてみました。

Point

ニーズと商材との間にズレが出るのは「当たり前」の時代

佐藤君

ヒアリングで、自分たちの会社の商材に対応できないニーズが出てくることってよくあるんでしょうか?

小貫さん

そうですね。今の世の中では「ニーズと商材とのズレが出てしまう」ことは当たり前という意識を持っておいたほうがいいでしょう。

佐藤君

営業が社内を説得して、お客さんの要望に何としても対応することもあると、先輩に聞いたことがあります。

小貫さん

予算が潤沢にあった頃は、それができました。でも、費用対効果が問われるこのご時世に、そんなケースは少ないです。予算の制約があるお客さんに対しては、どうしても既にあるサービスを使ってもらわないといけない、というのが今の時代です。

Point

まずは「あわせ」ることが肝心

佐藤君

以前にカスタマイズを要望されたお客さんに、
「そこまでしなくても、他社の案件では運用できていましたよ。」
と伝えたら、次からアポを取れなくなってしまいました。

小貫さん

それは、やってはいけないパターンですね。他社事例をチラ見せしながら、否定的な反応をしてしまい、お客さんの心が離れるのはよくある失敗例です。

佐藤君

私はどうしたらよかったんでしょうか?

小貫さん

ここではまず「お客さんのニーズが間違っていない」とあわせる姿勢を見せ、お客さんに安心してもらうことが大切です。

あわせ


まずは合わせる姿勢を見せる

  • 「確かにその通りで、同じようにおっしゃるお客さまもいます」
  • 「そこは社内でも新商品として検討しているんです」


姿勢を言葉にして伝える

「あなたのニーズは間違っていません、それは確かに必要です」

Point

最後に「ズラシ」て引き寄せる

小貫さん

いったん「あわせ」たら、次はこちらが自信のある価値を提供できる範囲に「ズラシ」ていきます。ここはまさに営業のキモになる部分です。これには2つの方法があります。

「ズラシ」の2つの方法

ズラシ ①

お客さんのニーズの裏にある課題を3~4つに分け、優先順をつける
課題がたくさんあると「優先順位の高いところだけ対応して、残りは今後対応しましょう」という説得の仕方ができる。

 

ズラシ ②

「そもそも論」を使う 

そもそも、そのニーズは何をやりたいためだったかを問いかける。
そうすると、3つのニーズが実は2つで良かったということもある。
ときには「残り2つならウチで対応できます」とも言える。

佐藤君

無理やりこっち側に引き寄せるのではなく、まずはお客さんの意見にあわせてから、その課題を分解したり、そもそも論に立ち戻ったりしてみることで、お客さんの課題をズラシていくというわけですね。

小貫さん

その通り!
この「あわせ」と「ズラシ」の技法、ぜひ現場で使ってみてください。

今日のまとめ

「あわせ」と「ズラシ」の技法を使って、お客さんのニーズとの間に生まれてしまったズレを解消しよう!