小貫さん
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
「シナリオ」営業 相談室 vol.006
営業エキスパートの小貫さんが、今日から使える営業のポイントをわかりやすく解説します。
1,000人の営業を見てきた
コンサルタント。
1年目の新人営業マン。
コロナ禍により、提案の場がリアルからオンラインに変化。そのために営業が失ったものとは? コロナ禍で変わった営業の進め方について、1,000人の営業を見てきた小貫さんに聞いてみました。
Point
コロナ禍で世の中が大きく変わりましたが、営業の現場ではどんな変化がありましたか?
一番の大きな変化は、実際にはお客さんの元に行かず、オンラインやリモートでの提案になったことでしょうね。
確かに、ウェブ会議がメインになり、お客さんと対面で顔を合わせてのコミュニケーションする機会が減りました。
Point
以前、「それはうまく進まないことが多いですよ」とお客さんに伝えたら、次からアポを取れなくなってしまいました。
最も大きな変化は、場面の転換ができなくなり、踏み込んだ質問をする機会が減ったことでしょう。佐藤くんは提案をしているとき、お客さんとどんな位置関係になっていますか?
う~ん。僕が喋る人、相手が聞く人、という感じで向かい合っていますね。
人と人はそんなふうに向かい合っているとき、「対立軸」になりやすくなります。極端に言うと、お互いそれぞれの立場があり、対面することでそれをぶつけ合ってるような形になってしまうんです。
Point
Web会議では、この対立軸が変わることはありません。でも、それがリアルの打ち合わせのときには違います。会議を終えて部屋を出た後はどうですか?
帰るときに、お客さんがエレベーターホールまで送ってくれます。
そのときは、それまでの緊張感のようなものが解けて話しやすい雰囲気になっているかも。
そう。この時初めて場面が変わり、対立軸の状態からお互いが同じ方向を見るという形に切り変わります。ここで、同じ方向を見ることでお客さんと営業をさえぎる「壁」がなくなるという状態が起きます。だから確信に迫った質問がしやすくなるわけです。
「今日の提案をどう思いましたか?」
「この提案を会社として受け入れるためにはどんなところが実は障壁になりそうですか?」
「本当のところ、どれくらい予算に余裕がありますか?」
こうやって比べると、オンラインは確信に迫れる貴重な機会を失ってしまうんですね。
コロナ禍によりリアルな対面の場が激減。
結果、核心に迫る「営業の機会」を失った。