「シナリオ」営業 相談室 vol.009

お客さんが質問に答えてくれない!

シナリオ営業相談室とは?

営業エキスパートの小貫さんが、今日から使える営業のポイントをわかりやすく解説します。

登場人物

  • 小貫さん

    1,000人の営業を見てきた
    コンサルタント。

  • 佐藤君

    1年目の新人営業マン。

質問しても答えてくれないお客さんに、自社の説明だけして帰ってきていませんか?
今の質問の仕方を、お客さんが答えやすいような形に変えるだけで、お客さんは答えやすくなり課題の発掘にも繋がります。
「答えてくれないから仕方がない」はもったいない!その原因と解決策をわかりやすく解説します。

Point

質問に答えてくれないお客さん、どうしたらいい?

佐藤君

お客さんのニーズを掴もうといろんな質問をしても、「うーん」と唸っているだけだったり「そんなこと今答えられないなあ」と言われてしまって、欲しい答えが全然返ってこないんです。それで結局、自社の商品説明をするだけになってしまって...

小貫さん

お客さんに質問をスルーされてしまって困っているんですね。それはもしかして、お客さんに答えにくい質問をしてしまっているからかもしれません。
お客さんは普段から自分の課題について考えているわけではありませんから、いきなり「課題は?」と聞かれてもうまく答えることができません。

Point

オープン・クエスチョンからクローズド・クエスチョンに変えてみる

小貫さん

佐藤くんはお客様に何でも「教えて!」と聞いてばかりではありませんか?

佐藤君

確かにその通りですけど...

小貫さん

大前提として、こちらから何も情報を提供せずに10分以上ヒアリングしてしまうのはNGです。一方で、短い質問でも答えてくれない場合は、質問の仕方に問題があると考えてください。

佐藤君

具体的にどんな聞き方をしたらいいんですか?

小貫さん

上手な質問の仕方としては、まずは広い形で質問をすること。それでも答えがないお客さんには、更に細かく、イエスかノーで答えられるような聞き方にシフトしていきます。

まずは広い形の質問をする
「人事業務の中で手間がかかっている所はどこですか?」
 ↓

それでも答えがない場合はイエスかノーで答えられる質問をする
「人事評価の調整で、すごい手間がかかっていませんか?」

佐藤君

こんな風に、ある程度範囲を限定した聞き方にしていくと、お客さんも答えやすくなります。これが俗に言う「オープン・クエスチョンからクローズド・クエスチョンに変えていく」というやり方です。

Point

「あるべき姿」と「現状」を分解して聞いてみる

小貫さん

この手法以外にも、お客さんのあるべき姿と現状とを聞いて課題を把握するというアプローチもあります。

やりたいこと≠現状

→その差が課題となっている

  • 自分の業務をもっと効率化して時間を短縮させたい
  • 社内に対してみんなの知らない情報を提供したい
小貫さん

このように、あるべき姿と現状を分解して聞いていくことで、お客さんの課題が浮き彫りになってきます。

佐藤君

お客さんが答えやすいように、普段からお客さんが頭の中にある情報を引き出すような質問が大切なんですね。

今日のまとめ

質問に答えてくれないお客さんには、イエスかノーで答えられるようなクローズド・クエスチョンや、あるべき姿と現状を分解して聞いてみよう。