「シナリオ」営業概論 part.15
「課題」をレイヤーに分けると、真実が見えてくる 01
■課題を切り分けてみる
前回は、お客様は課題で嘘をついているというお話をしました。
では、「ホント」の課題を見極めるためには何をしたら良いのでしょうか?
課題にはレイヤーがあり、 経営ビジョン、事業戦略、オペレーション(業務方針)、エグゼキューション(日常の業務)に分かれます。
難しく考えることはありません。要するに下記の通りです。
1 社長が気にする経営ビジョンの課題
2 役員が気にする事業戦略の課題
3 部長が気にするオペレーションの課題
4 課長・担当者が気にするエグゼキューション
■課題レイヤー1 経営ビジョン
経営ビジョンでは、デジタル変革や、新たな事業分野への展開による事業構造の転換といった、企業としてのあり方までを見直す観点です。
ここでの課題はズバリ、「このビジョンで本当に良いのか」、「ビジョンを実現する鍵は何か」です。このレイヤーの課題を直接に相手にするのは、戦略コンサルティングを提供するようなコンサルファームとなります。
普通の営業担当ではこのレイヤーだけで話を進めることはまずないと思いますし、社長以外からこのレイヤーの課題意識が出てきても相手にしてはいけません。
■課題レイヤー2 事業戦略
事業戦略においては、経営ビジョンを実現するための事業単位での取り組みが問われます。
今の市場でそのまま戦い続けて良いのか? 競合の動きに合わせて、戦い方を調整する必要があるのか? 市場や競合の動きが変わる中で、投資拡大や縮小の判断が正しいのか? といったあたりが課題の観点として出て来ます。
こちらも将来のリスクに対する課題という点では、経営ビジョンと同じです。ただ、お客さまや競合との日々の業務の中での接点から、検討する材料が出てきます。そのため、お客さまが新たな情報に振り回されて、課題が変わることも多いレイヤーでもあります。
次の回でお話しする「課題のつながり」ということを考えるにあたり、大事なレイヤーとなります。
(次回へつづく)