「シナリオ」営業概論 part.035
〈二次営業〉での解決編01:一次営業の終わり方が次回アポを決める
■失敗例と解決例の会話を比較してみよう
ここからは〈二次営業〉での解決編として、二次営業の失敗例と解決例を比較していきます。
一見すると何も変わっていないようにも見えるかもしれませんが、交わされている言葉に明確な違いが出ています。
一次営業で触れた「課題・ニーズの見極め」ステップである、「課題のレイヤーの見極め/課題の明確度の見極め/課題のつながりの見極め」を振り返りながら、「課題・ニーズを分かっていなかった」ときと「それを分かっていた」ときの違いに着目してみましょう。
■失敗例と成功例の会話を比較してみよう
【 ✕ 失敗編:顧客からメリットの見えない次回アポ 】
□営業担当:前回お話しできなかったダッシュボード活用事例をご紹介したいです。
■お客さま:まあ、同じ業界で似たような課題をお持ちの企業の話なら興味はありますが...(ダッシュボード機能に興味があるわけじゃないんだけど)
□営業担当:来週あたり、ご予定いかがでしょう?
■お客さま:チョット忙しいので、来月でもよいですか?
【 ◯ 解決編:アジェンダが明確ですぐに決まる次回アポ 】
□営業担当:昨日の最後にお話の出た費用管理の件をご説明したいのですが。
■お客さま:早い方が良いですね。来週の月曜日か火曜日はどうでしょうか?
□営業担当:それでは、月曜日の13:00にお伺いさせて頂きます。
■お客さま:(すぐに連絡してくれて、しっかりした営業だな)
■独りよがりのきっかけ作りはNG
失敗編では、前回伝えられなかった価値ある情報を届けようとしています。
このきっかけ作りに間違いはありません。
ただ、彼は「お客さまが伝えてくれた、問合せの背景と課題意識」に触れていません。
自分が言い残した情報があるから伝える、という独りよがりをいまだに続けています。
■結局、一次営業での種まきが物を言う
しかし解決編は違います。
一次営業での訪問でお客さま担当者さえ気づいていなかった、費用管理に特化するという切り口を発掘し、次回の宿題として持ち帰っていました。
つまり、お客さまからあとで証拠となる言葉を取っていたのです。
先方もまた次回に向けた期待感を抱いていたわけですから、当然のようにアポが決まります。
このように一次営業の段階で種まきをできていなければ、後からいくら材料を提供しようとしても伝わりません。