「シナリオ」営業概論 part.42

「発注確度」と「受注確度」その意味と違い 01

発注確度を見極めるフレームワーク「BANT」

発注確度を見極めるフレームワーク「BANT」

「発注確度」とは何なのか。

それは先ほど も触れたように、「お客さまがそもそも製品・サービスを導入するかどうか」というお客さま視点からの確度のことです。

この発注確度を見極めるために、BANT というフレームワークを活用してみましょう。BANTは営業担当にはおなじみの営業の「型」のひとつです



【BANT】

予算(Budget)

決裁権(Authority)

ニーズ(Needs)

導入時期(Time Frame)

「BANT」でトークを使い分ける

この型に則って営業トーク、セリフを使い分けて発注確度を確認していきます。
以下はその一例です。

【 B:予算 】
(確認ポイント)予算の計上部署/予算部署/予算管理の厳格度
「どの部門の予算が使われる予定でしょうか?」
「予算がない場合、他から予算を転用できそうですか?」

【 A:決裁権 】
(確認ポイント)決済権限/稟議プロセス/意思決定のキーマン
「いくら以上からリングの対象となりますか?」
「承認後に、さらに上に報告されたりしますか?」

【 N:ニーズ 】
(確認ポイント)検討背景/業務負担/組織・個人ニーズ
「何にお困りでしょうか?」
「何人くらいで業務を行っていますか?」

【 T:導入時期 】
(確認ポイント)導入予定/予定の背景/稟議期間
「いつまでに導入を完了される予定でしょうか?」
「完了のタイミングは、何で決まっているのでしょうか?」

必要なのは、お客さまの「ウソ」を見破ること

発注確度を上げるためには、お客さまが無意識のうちについている「ウソ」を見破る必要があります。

「ファクト(事実)」を話してくれているのか、それとも、「思い込み」や「見立て」で話しているのか。
そのため、様々な観点から質問をぶつけて、それに対する回答内容や表現から思い込みなのか、はたまた見立てなのかを判断するわけです。

お客さまは思い込みで話している

特に難しいのが思い込みの場合です。

お客さまは「自分がファクトを話している」と思い込んでいるのですから、表面上の話し方がファクトと変わらず、そのままだとファクトでないことを見極めにくいのです。

一方、見立ては多くの場合、お客さまも自分がファクトでないことを話していると意識しているので、語尾に「思います」や声の調子が変わることから見極められます。

証拠をひとつずつ確認していこう

でも、見極めの後、「ウソを言ってないですか?」と問い詰めるわけにはいきません。
「それがファクトになるためには、何を詰める必要があるのか」を考えて、刑事のようにひとつずつ周りの証拠を確認していくのです。
詰めるポイントは例えば、社内の規程に合致しているか、実際に社長や役員の発言としてあったのか、過去に同じ形で進んだ実績があるか、などなどです。

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