「シナリオ」営業概論 part.48

〈営業会議〉での失敗編04:もはや受注どころか会社のブランド失墜へ

相手の話を聞かない営業

相手の話を聞かない営業

お客さまの心をつかんでいない段階と自分でわかっているのに、上司から怒られないための「アリバイ作り」でアポをとってしまった営業担当。
さて、その後どうなったのでしょうか?

【 上司に答えるための質問をする 】
□営業担当:ご予算は決まっておられますか?

■お客さま:(いきなりそれだけ聞かれても...)

□営業担当:いつ頃までにご決定されますか?

■お客さま:(自分が相手の立場だったら話すと思うのかしら)

□営業担当:最終決定されるのはどなたになりますか?

■お客さま:(まだ、候補になるかも分からないのに話せないよ)

□営業担当:一度、その方にも説明させて頂けませんか?

「受注確度」はもはや上がらない

企業の顔として振る舞うことを求められる営業担当は、今やお客さまを無視した無礼な伝言係に成り下がっています。
次々と自分が聞きたいことばかりを質問する営業担当に、お客さまはあきれ果てています。

あきれ果てたお客様は、要求ばかりしてくる営業担当の常識すらも疑っています。
営業担当だってムリなお願いをしているのは分かっているのですが、アリバイ作りのためにやっているのです。

ここに不幸のスパイラルが生じます。
このままでは、お互いに平行線であり、この後に「受注確度」が上がるような事態が起きることはもはや想定できません。

「ダメなのは会社、自分のせいではない」と思っていませんか?

営業の成果が上がらない時、管理職が担当の責任追及にばかり走り、担当が「会社がダメなのであって自分のせいではない」と、双方が他責の念で行動していたら、売上はおろか会社のブランドまで低下させる。
そんなことは百も承知でしょうけれど「〈営業会議〉での失敗編」でお見せしたこの結末、いつかどこかで、あるいは今も、よく見る光景ではないでしょうか。

見るべきは「発注確度」だけではない

悪いのはこの営業部門だけなのでしょうか?
いいえ、会社の仕組みに問題があるのです。
営業部門が「売れるお客さま」を探してくる役割としてしか見られていないことにも理由があるのです。

製品・サービスがそこにあれば、とにかくすべて営業部門に任せて、売れるかどうかを見極めてきてもらえばいい、という雰囲気。その期待に応えるように、営業部門は「売れそうなお客さま=買う気のあるお客さま」に判断をゆだねる発想になっていきます。

だからこそ、「発注確度」ばかりに目が行き、それ以上の「お客さまを変える」というアプローチにまで頭が行かないのです。
結局、お客さまを見極めることだけが営業の役割となり、お客さまの立場からではなく、自社の立場だけを押し付けるようになってしまうのです。

<<前の記事

今すぐ資料請求