「シナリオ」営業概論 part.05
「大きなシナリオ」と「小さなシナリオ」
■「シナリオ」営業には、2つのシナリオがある
「シナリオ」営業では、以下の2つの異なるシナリオについて考えていく必要があります。
ひとつは、アポイントから受注を獲得するまでの全ての営業プロセスに対応する「大きなシナリオ」。
もう一つは、アポイント〜一次営業〜二次営業〜クロージングの各ステップにおいて機能させていく「小さなシナリオ」です。
■大きなシナリオ
大きなシナリオでは、「課題・ニーズの見極め」、「ニーズとベネフィットのマッチング」、「ニーズとベネフィットのズレの解消」、「ストーリーでの納得感の引き出し」の4つの要素があります。
①「課題・ニーズの見極め」では、お客さまが何を欲しがっているのかを聞き出しながら、お客さまの課題を整理し「ニーズ」を見極めていきます。
②「ニーズとベネフィットのマッチング」では、お客さまの話から見えたニーズに対して、自社の売りであるベネフィットをぶつけていきます。
③「ニーズとベネフィットのズレの解消」では、決してベネフィットを自社から変えたりしません。お客さまのニーズへのいったんの「合わせ」 と、それからの「ズラシ」というステップを踏んでいきます。
④「ストーリーでの納得感の引き出し」は最終段階。
全体を「そうそう」「へえ」「なるほど」という流れに仕立て上げ、お客さまが理解しやすい形にしていきます。
■小さなシナリオ
小さなシナリオでは、現場の働き方として、アポイント、一次営業、二次営業など、それぞれの訪問ごとにゴール設定を行い、その逆算から小さなシナリオを作っていきます。
大きなシナリオを念頭に置きながら、「今回の訪問ではどこまでシナリオを進めるのか」を都度設定して話すべきことを決めるわけです。
小さなシナリオではそのゴールに向かっていくためのステップを重視し、「次のステップに進むこと」がゴールになります。
■シナリオを更新することで成果を高めることができる
現場では異なるニーズや課題を抱えるお客さまを相手にしています。
シナリオを用意しただけで成果につながるわけではありません。現場にいる営業担当が、お客さまの風土や組織体制、 意思決定プロセスを踏まえてシナリオを自ら実行し、修正していくことが成果の違いにつながっていきます。